青空文庫

「大菩薩峠」の感想

大菩薩峠

だいぼさつとうげ

10 市中騒動の巻

10 しちゅうそうどうのまき

初出:第十巻「市中騒動の巻」「都新聞」1918(大正7)年 6月21日~8月17日

中里介山163
下層階級の描写時代劇武士の倫理厳粛緊迫

書き出し

一白根入りをした宇津木兵馬は例の奈良田の湯本まで来て、そこへ泊ってその翌日、奈良王の宮の址と言われる辻で物凄い物を見ました。兵馬が歩みを留めたところに、人間の生首が二つ、竹の台に載せられてあったから驚かないわけにはゆきません。捨札も無く、竹を組んだ三脚の上へ無雑作に置捨てられてあるが、百姓や樵夫の首ではなくて、ともかくも武士の首でありました。「これは何者の首で、いかなる罪があって斯様なことになった

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