ひゃくせん
初出:「不同調」1927(昭和2)年1月号
書き出し
或る洋画家のところへ、来月お金が入ることになった。ふだんその人は真面目に勉強しているのだが、或る理由からお金がちっともとれず、一緒に暮している女のひとと生活する必要のためには、夜、餉台の上まで低く電燈を引っぱり下してその下で、細かい細かい面相で芥子粒位のものを描く仕事をしなければならない。細かいその仕事は金粉や銀粉をつかってする仕事だから、たった一つの電燈の光でも四畳半の穢い部屋の中では随分美しく…
一太と母
足袋
小作人への告別