かいちょう
書き出し
一中村武羅夫君これは君の「随筆流行の事」に対する答である。僕は暫く君と共に天下の文芸を論じなかつた為めか、君の文を読んだ時に一撃を加へたい欲望を感じた。乃ち一月ばかり遅れたものの、聊か君の論陣へ返し矢を飛ばせる所以である。どうかふだんの君のやうに、怒髪を天に朝せしめると同時に、内心は君の放つた矢は確かに手答へのあつたことを満足に思つてくれ給へ。君は「凡そ芸術と云ふ芸術で、清閑の所産でないものはない…
文壇の趨勢
無題(五)
志賀直哉氏の作品