青空文庫

「無題(五)」の感想

無題(五)

むだい(ご)

初出:「宮本百合子全集 第十八巻」新日本出版社、1981(昭和56)年5月30日

作家の日常回顧的文壇交友文学批評分析的軽妙

書き出し

無題(五)宮本百合子鴎外全集第二巻雲中語を読む。第一感じること。これは、明治三十年、新小説、文芸倶楽部などに発表された小説を、鴎外、露伴、緑雨、紅葉、思軒などがよって合評したものだ。現代の新潮合評のようなものか。然し三十年と云えば、今からたった二十九年、足かけ三十年ばかりの昔だのに、何と云う過古が今日の私共には感じられるだろう。明治の文学が、どんな短い年数の間に幾多の変遷を経、外国文学の影響を受け

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