はくしゃくのかんざし
書き出し
一このもの語の起った土地は、清きと、美しきと、二筋の大川、市の両端を流れ、真中央に城の天守なお高く聳え、森黒く、濠蒼く、国境の山岳は重畳として、湖を包み、海に沿い、橋と、坂と、辻の柳、甍の浪の町を抱いた、北陸の都である。一年、激しい旱魃のあった真夏の事。……と言うとたちまち、天に可恐しき入道雲湧き、地に水論の修羅の巷の流れたように聞えるけれど、決して、そんな、物騒な沙汰ではない。かかる折から、地方…
風琴と魚の町
最後の胡弓弾き
月二夜
19双之川喜41さんの感想
女旅芸人が 図らずも 水乞いをする というような 筋かもしれない。 鏡花は 出世作の頃には 平易で 達意な文章であったけど 次第に 難解な表現を 好むようになってしまうと感じた。