えほんのはる
初出:「文藝春秋 第四年第一號」1926(大正15)年1月
書き出し
もとの邸町の、荒果てた土塀が今もそのままになっている。……雪が消えて、まだ間もない、乾いたばかりの——山国で——石のごつごつした狭い小路が、霞みながら一条煙のように、ぼっと黄昏れて行く。弥生の末から、ちっとずつの遅速はあっても、花は一時に咲くので、その一ならびの塀の内に、桃、紅梅、椿も桜も、あるいは満開に、あるいは初々しい花に、色香を装っている。石垣の草には、蕗の薹も萌えていよう。特に桃の花を真先…
樹木とその葉
雛がたり
ふるさと
19双之川喜41さんの感想
むかしは 絵解きで いまは 読み聞かせとか。 怪談仕立てとは 題名からは 気がつかなかったけど 鏡花だから 見当がつきそうなもので 我ながら 少し 読みは 浅かったと感じた。