青空文庫

「大菩薩峠」の感想

大菩薩峠

だいぼさつとうげ

03 壬生と島原の巻

03 みぶとしまばらのまき

初出:「都新聞」1914(大正3)年9月4日~12月5日

中里介山144
奇人描写孤絶死の受容鬱屈

書き出し

一昨日も、今日も、竜之助は大津の宿屋を動かない。京都までは僅か三里、ゆっくりとここで疲れを休まして行くつもりか。今日も、日が暮れた。床の間を枕にして竜之助は横になって、そこに投げ出してあった小さな本を取り上げて見るとはなしに見てゆくうちに、隣座敷へ客が来たようです。「どうぞ、これへ」女中の案内だけが聞えて、客の声は聞えないが、畳ざわりから考えると一人ではないようです。「お風呂が明いておりまする」「

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