青空文庫

「生態の流行」の感想

生態の流行

せいたいのりゅうこう

初出:「早稲田大学新聞」1940(昭和15)年5月29日号

学問的考察文壇交友文学批評内省的分析的憂鬱

書き出し

二ヵ月ばかり前の或る日、神田の大書店の新刊書台のあたりを歩いていたら、ふと「学生の生態」という本が眼に映った。おや、生態ばやりで、こんなジャーナリスティックな模倣があらわれていると半ば苦笑の心持もあってその本を手にとってみたら、それはどこかの場当りなブック・メイカアがこしらえているものではなくて、官立大学の学生主事をしている人が、そういう職名もちゃんと肩書きに明記して著している本であった。このこと

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