青空文庫

「躯」の感想

からだ

徳田秋声18
下層階級の描写家族不和歴史的背景死の受容叙情的回顧的静謐

書き出し

四五日前に、善く人にじゃれつく可愛い犬ころを一匹くれて行った田町の吉兵衛と云う爺さんが、今夜もその犬の懐き具合を見に来たらしい。疳癪の強そうな縁の爛れ気味な赤い目をぱちぱち屡瞬きながら、獣の皮のように硬張った手で時々目脂を拭いて、茶の間の端に坐っていた。長いあいだ色々の労働で鍛えて来たその躯は、小いなりに精悍らしく見えた。上さんが気を利かして、金を少し許り紙に包んで、「お爺さん少しだけれど、一杯飲

2022/04/23

19双之川喜41さんの感想

 爺さんの 繰り事である。 躯(からだ)を 御国のために 捧げられないから 投身自殺を図る。 助けようとした 爺さんの息子は 殉職して 破格の 葬儀をしてもらう。 躯(いのち)を粗末にすることは 連鎖すると感じた。

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