めくらぞうし
初出:「新潮」1936(昭和11)年1月号
書き出し
なんにも書くな。なんにも読むな。なんにも思うな。ただ、生きて在れ!太古のすがた、そのままの蒼空。みんなも、この蒼空にだまされぬがいい。これほど人間に酷薄なすがたがないのだ。おまえは、私に一箇の銅貨をさえ与えたことがなかった。おれは死ぬるともおまえを拝まぬ。歯をみがき、洗顔し、そのつぎに縁側の籐椅子に寝て、家人の洗濯の様をだまって見ていた。盥の水が、庭のくろ土にこぼれ、流れる。音もなく這い流れるのだ…
え゛りと・え゛りたす
江戸川乱歩氏に対する私の感想
鉄面皮