ちかごろのかんそう
初出:「文芸評論」1934(昭和9)年10月号
書き出し
考えて見ると、私は今日まで作家として相当長い仕事の間に、自分の作品または生活について書かれるいろいろな批評などに対して、文章をもって答えたことは、ごく稀であった。自分としてその批評に賛成であった場合も不賛成であった場合も、多く黙っていた。それには、後でのべようと思う一二の理由があったのであるが、この頃、私は従来までの自分のそういう態度についていささか考え直すようになって来た。その間接の原因となるも…
漱石の「行人」について
ポーの片影
『それから』予告