作家のみた科学者の文学的活動
さっかのみたかがくしゃのぶんがくてきかつどう
初出:「科学ペン」1937(昭和12)年10月号
宮本百合子約22分
作家の日常文学批評芸術論分析的学術的
書き出し
「生」の科学と文学随分古いことになるが、モウパッサンの小説に「生の誘惑」というのがあり、それを前田晁氏であったかが訳して出版された。私は十四五で、その小説を熱心に読んだ。なかに、パリの社交界で華美ないかがわしい生活を送っている女の娘が、樹の下の草にねころびながら、男の友達に本を読んで貰っている。美しい娘は草の上にはらばいになって手に草の葉をもち、そこにつたわって来ている一匹の蟻を眺めてそれと遊びな…
1 / 0