ふゆにっき
書き出し
真白い西洋紙を展げて、その上に落ちてくる午後の光線をぼんやり眺めていると、眼はその紙のなかに吸込まれて行くようで、心はかすかな光線のうつろいに悶えているのであった。紙を展べた机は塵一つない、清らかな、冷たい触感を湛えた儘、彼の前にあった。障子の硝子越しに、黐の樹が見え、その樹の上の空に青白い雲がただよっているらしいことが光線の具合で感じられる。冷え冷えとして、今にも時雨が降りだしそうな時刻であった…
葉
暁と夕の詩
秋の瞳