青空文庫

「出帆」の感想

出帆

しゅっぱん

初出:「新思潮」1916(大正5)年10月

内省文壇交友都市の異化叙情的回顧的孤絶

書き出し

成瀬君君に別れてから、もう一月の余になる。早いものだ。この分では、存外容易に、君と僕らとを隔てる五、六年が、すぎ去ってしまうかもしれない。君が横浜を出帆した日、銅鑼が鳴って、見送りに来た連中が、皆、梯子伝いに、船から波止場へおりると、僕はジョオンズといっしょになった。もっとも、さっき甲板ではちょいと姿を見かけたが、その後、君の船室へもサロンへも顔を出さなかったので、僕はもう帰ったのかと思っていた。

2020/08/05

19双之川喜41さんの感想

 銅鑼(どら)の響きと 共に 船が出航すると フロックコートの紳士が 名残惜しい 風情で 船を見送る。実は この紳士の 正体はという 短文では あるけど なかなかのものと 感じた。

1 / 0