青空文庫

「もの思う葦」の感想

もの思う葦

ものおもうあし

――当りまえのことを当りまえに語る。

――あたりまえのことをあたりまえにかたる。

初出:はしがき、虚栄の市、敗北の歌、或る実験報告「日本浪曼派 第一巻第六号」1935(昭和10)年8月1日

太宰57
作家の日常創作背景自己認識分析的回顧的

書き出し

はしがきもの思う葦という題名にて、日本浪曼派の機関雑誌におよそ一箇年ほどつづけて書かせてもらおうと思いたったのには、次のような理由がある。「生きて居ようと思ったから。」私は生業につとめなければいけないではないか。簡単な理由なんだ。私は、この四五年のあいだ既に、ただの小説を七篇も発表している。ただとは、無銭の謂いである。けれどもこの七篇はそれぞれ、私の生涯の小説の見本の役目をなした。発表の当時こそ命

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