青空文庫

「好悪の論」の感想

好悪の論

こうおのろん

初出:「日本文學講座 第十卷」1927(昭和2)年10月

作家の日常文学不信文学批評分析的厳粛

書き出し

鴎外と逍遙と、どちらが嗜きで、どちらが嫌ひだ。かうした質問なら、わりに答へ易いのです。でも、稍老境を見かけた私どもの現在では、どちらのよい處も、嗜きになりきれない處も、見え過ぎて來ました。それでやつぱり、かうした簡單な討論の方へ加はれさうもありません。だからまして、廣く大海を探つて一粟をつまみあげろと言つた難題には、二の脚を踏まずには居られません。さあだれが嗜きで誰が嫌ひ。そんな印象も殘さない樣な

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