柵草紙の山房論文
しがらみそうしのさんぼうろんぶん
初出:「柵草紙」1891(明治24)年9月~1892(明治25)年6月
森鴎外約181分
作家の日常文壇交友文学批評分析的厳粛
書き出し
我に問ふ、何故に久しく文を論ぜざるかと。我は反問せむとす、何故に久しく論ずべき文を出さゞるかと。我が文學上の評論をなさんといひし誓は、今やいたづら事になりなむとす。其咎果して誰が上にか歸すべき。露伴子はその著當世外道の面に於いて、柔弱者の口を藉りて我に戲れていはく。鴎外は技術論者にして、唯學校教師たるに適すと。是言善く我病に中れり。然れども今の世のありさまは、文を論ずる人に理を説かしむるを奈何せむ…
1 / 0