青空文庫

「地中魔」の感想

地中魔

ちちゅうま

海野十三66
少年の日常探偵小説科学的手法期待軽妙

書き出し

少年探偵三浦三吉永く降りつづいた雨がやっとやんで、半月ぶりにカラリと空が晴れわたった。晴れると同時に、陽の光はジリジリと暑さをもって来た。ここは東京丸の内にある有名な私立探偵帆村荘六氏の探偵事務所だ。少年探偵の三浦三吉は、今しも外出先から汗まみれになって帰って来たところだ。いきなり上衣とシャツとを脱ぎすてると、乾いたタオルでゴシゴシと背中や胸を拭いた。それがすむと、どこから持って来たのか冷々と露の

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