おはなみざっかん
書き出し
四五年といふもの逗子の方へ行つてゐたので、お花見には御無沙汰した。全體彼地では汐風が吹くせゐか木が皆小さくて稀に二三株有つても色も褪せて居るやうだから、摘草などをこそすれつい/\花を見る事は先づすくないのである、と言つて花時に出ても來ないし、愈々以て遠々しくは成つたものの、何もお花見だからと言つて異裝なんかする事はさう別に奬勵するにも及ばなければ、恐しく取緊る事もないと思ふ。さうしなければ樂めない…
旅行の今昔
綺堂むかし語り
浮雲
19双之川喜41さんの感想
花見にお出ましの御婦人連の和装の彩りにつき 一家言あるそうで 委細 ごもっともです。 劇作家でもあるので 櫻木の下の死体ならぬ 生体にも工夫が欲しいと 思ってしまうのでしょう。