貸借
たいしゃく
初出:不明
約5分
いちにいさんの感想
なるほど
金と本は違う
1000円貸して返ってこなくとも 、別に不自由はしない
1000円の本を貸して返ってこなかったら、まして、その本が絶版本であったら、全国の図書館を巡らなければならなくなるほど不自由だ。
(貸して欲しい本は普通、書店や図書館で見つけられない本なのだ。)
本は手元にあって本なのだ。
必要な時になくてはならない。
貸した翌日、必要になることもある。
(同じ本は普通2冊所有してない。)
本はコピーするものではなく、書き込むものだ、と思う。だから、私の本はカラフルだ。青緑赤などのボールペンやマーカーで賑やかだ。他人には読みづらい本になっている。その意味では他人には貸せない。他人でなくとも、自分の子どもも、たまに私の書斎を漁っているようだが、最後は断念しているらしい。やたら表紙の綺麗な「人間失格」がダイニングテーブルにおいてあった。中も綺麗だ。カラフルではなく、黒い活字が静かに並んでいる。
確か、私の本なら「恥の多い生涯」に赤のラインマーカーが引かれているはずだ。