丸之内点景
まるのうちてんけい
‥‥東京の盛り場を巡る‥‥
初出:「東京朝日新聞」1933(昭和8)年4月21日朝刊
約3分
cdd6f53e9284さんの感想
小津安二郎が、丸の内界隈の情景を描写している。
あれは、空ショットとかいっただろうか、まるで小津映画の一場面を見ているようだ。
目に映る何気ないこうした風景をスケッチして、撮影のイメージを溜め込んでいたのだろうか。
早朝に神田辺りから野球のユニフォーム姿の若者の一群が、自転車に乗って日比谷方面に向かって颯爽と走りすぎていった。
さて、昭和8年というと、どんな映画がいいだろう。
「東京の女」、それとも名作「出来ごころ」か、いやいや、丸の内が似合う作品といえば、やはりここは田中絹代が主演した「非常線の女」しかないだろう。
まるでハリウッド映画のような小粋なギャング映画だ、
後にも先にも小津安二郎のギャング映画なんて、ちょっと見られないぞ。
この作品で悩めるやくざを繊細に演じたスマートな岡譲二も楽しめる。