青空文庫

「象牙の牌」の感想

象牙の牌

ぞうげのはい

渡辺41
文壇交友死の受容芸術家描写叙情的怪奇

書き出し

『…………』西村敬吉はひどくドギマギとして、彼の前に立った様子のいい陽気な客の顔を眺め返した。西村敬吉はつい一週間程前にこの××ビルディングの四階に開業したばかりの若い弁護士である。そして彼の前に立った様子のいい陽気な客は彼の開業以来最初の依頼人であった。室内には明るく秋の陽ざしが流れていて、一千九百——年の九月末の或る美しく晴れた日の午後の話である。『僕は活動役者の清水茂です。』と、客は正にそん

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