青空文庫

「突貫紀行」の感想

突貫紀行

とっかんきこう

幸田露伴25
下宿生活回顧的旅の情景病中苦悩叙情的静謐

書き出し

身には疾あり、胸には愁あり、悪因縁は逐えども去らず、未来に楽しき到着点の認めらるるなく、目前に痛き刺激物あり、慾あれども銭なく、望みあれども縁遠し、よし突貫してこの逆境を出でむと決したり。五六枚の衣を売り、一行李の書を典し、我を愛する人二三にのみ別をつげて忽然出発す。時まさに明治二十年八月二十五日午前九時なり。桃内を過ぐる頃、馬上にて、きていたるものまで脱いで売りはてぬいで試みむはだか道中小樽に名

2022/03/23

阿波のケンさん36さんの感想

明治20年の事を描いているが函館は東京の如しとその発展を形容している。小樽から東京の間で褒めているのは松島の景色だけというのが面白い。

2021/05/06

e4c0eb387665さんの感想

開高健『華夏、人あれば食ありii』に触れる露伴の蘇東坡論はないかとページを探すにこれなく、露伴若き頃の決死の旅日記に行き着いた。足まめの痛み、ちぎれる草鞋、食あたり、路銀の乏しさに自嘲し世間のせち辛さをおのが傷口に敢えて塗り込めるように歯を食いしばり、東京への長途の旅を続けるそのひたむきさに感じ入った。思うに、おのが足もて歩かずんばなさざらぬと。天晴、青春の記なり。

2018/01/27

gnosaさんの感想

現代風に言うなら無頼旅。漂泊の中で生まれる歌もある。

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