せいしゅんのぎゃくせつ
書き出し
第一部二十歳第一章一お君は子供のときから何かといえば跣足になりたがった。冬でも足袋をはかず、夏はむろん、洗濯などするときは決っていそいそと下駄をぬいだ。共同水道場の漆喰の上を跣足のままペタペタと踏んで、「ああ、良え気持やわ」それが年頃になっても止まぬので、無口な父親も流石に、「冷えるぜエ」とたしなめたが、聴かなんだ。蝸牛を掌にのせ、腕を這わせ、肩から胸へ、じめじめとした感触を愉んだ。また、銭湯で水…
戦争のファンタジイ
一の酉
戦話
阿波のケンさんさんの感想
大阪の貧しい家の子が頭が良くて三高まで進むが遊びが過ぎて中退、どうにか新聞記者になる。自意識と感受性が強すぎて何事もうまく行かないが最後にささやかな幸せを掴むまでの青春物語。作者の実像と重なる。