くびをうしなったとんぼ
書き出し
薊の花や白い山百合の花の咲いている叢の中の、心持ちくだりになっている細道を、煙草を吸いながら下りて行くと、水面が鏡の面のように静かな古池があって、岸からは雑草が掩いかかり、中には睡蓮の花が夢の様に咲いている。そして四辺の杉木立や、楢、櫟、楓、栗等の雑木の杜が、静かな池の面にその姿を落として、池一杯に緑を溶かしている。彼は池のほとりに据えられた粗末なベンチに腰を下ろして、暫く静かな景色に見とれていた…
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