青空文庫

「楽しい手術」の感想

楽しい手術

たのしいしゅじゅつ

作家の日常異国情緒科学的手法懐古軽妙

書き出し

樂しい手術中谷宇吉郎四年ばかり前に、K國手の手で、扁桃腺をとって貰ったことがある。年とってから扁桃腺をとるのは、そう樂なものではないが、何といっても日本の第一人者であるから、手術そのものは極めて巧く行った。しかしあと三日ばかり、ものを飮みこむ時に、ひどく痛くて、全く閉口した。流動物でも、一口飮みこむことが、すでに大變な難事業であった。鯉みたような恰好に、上を向いて口を大きくあけ、生卵を一つ流し込む

1 / 0