青空文庫

「文芸家の生活を論ず」の感想

文芸家の生活を論ず

ぶんげいかのせいかつをろんず

初出:「新潮 第二十三年第九号」新潮社、1926(大正15)年9月1日

佐藤春夫44

書き出し

先々月の新潮合評会席上で、作家の稿料の事などに就いて僕が簡単に発言したところ、今月号の二三の雑誌に多少の反響があつた。発言者として言ひ甲斐のあることである。ただ困つたことには、僕の本当に言はうとした意味を了解してゐるらしい人は殆んどない。わざ/\曲解してゐるとすれば軽蔑して過しただけでも足りるのだが、若しさうでなくて僕の言葉が足りない為め僕の主旨が通じないのだとすると、多少残念でないこともないので

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