青空文庫

「墓畔の梅」の感想

墓畔の梅

ぼはんのうめ

初出:「時事新報 一万九千二百五十八号~一万九千二百六十号」1946(昭和21)年1月9日~11日

書き出し

ふるさとの東京には、去年の秋流寓先から帰ったその日、ほんの一夜を明したばかりなので、その後は東京の町がどうなったか、何も知るよしがない。年は変って春の来るのも近くなった。何かにつけて亜米利加に関することが胸底に往来する折からでもあろう。不図わたくしは、或年の春、麻布広尾なる光林寺の後丘に米国通訳官ヒュースケンの墳墓をたずねたことを思出した。ヒュースケンの事蹟は今更贅するに及ぶまい。開港前下田に上陸

2022/02/12

cdd6f53e9284さんの感想

荷風は、ある時ふと、維新の頃に攘夷派の侍に斬り殺されて葬られた米国通訳ヒュースケンの墓に詣でようと思い立つ。どういう理由で、そのように思い立ったのか、何度も読み返したが、明確には書かれていないような気がする。かろうじて、遠い異国の地でその落命の悲報を聞いてさぞや悲しむ母親がいただろうと思いをいたす部分が、相当するかもしれないと考えた。

2022/02/12

19双之川喜41さんの感想

 最終行の 光林寺の ヒュースケンの墓畔に香る 一樹の「海」とは いったい 何を 意味するのだろうか?ママか 校正の 見落としか たれにもわからない。

2022/02/10

阿波のケンさん36さんの感想

太平洋戦争の直前に刺客によって命を奪われたオランダ人であり米国人である通訳官のヒュースケンを偲んで書かれた作品。オランダに一人残る母を残して亡くなった男の墓と側に立っていた一本の梅の木に思いを馳せている。戦争直前に米国人に思いを馳せるとは作者は勇気ある人であったようだ。

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