青空文庫

「追悼記」の感想

追悼記

ついとうき

初出:「草茎」草茎社、1939(昭和14)年2月号

民喜2

書き出し

先頃、この四五年間の手紙を整理してゐると、井上五郎・澄田廣史・兒玉孤舟君など、故人になつた人の書簡が出て来て感慨を新たにされた。澄田廣史君など死ぬる前まで、希望に満ち計画に溢れた、元気のいい端書であつた。若くして死ぬる人は、大概気が頑りつめて居る絶頂なのかもしれない。さう云へば、黒川俊子嬢の封筒も四五通出て来て、更に儚い気持がした。家内宛の手紙であるが、綺麗なレターペーパーに、つつましい文字で、こ

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