青空文庫

「花より雨に」の感想

花より雨に

はなよりあめに

初出:「秀才文壇 第九卷第拾八號(臨時増刊)」1909(明治42)年8月

永井荷風10

書き出し

しづかな山の手の古庭に、春の花は支那の詩人が春風二十四番と數へたやう、梅、連翹、桃、木蘭、藤、山吹、牡丹、芍藥と順々に咲いては散つて行つた。明い日の光の中に燃えては消えて行くさま/″\な色彩の變轉は、默つて淋しく打眺める自分の胸に悲しい戀物語の極めて美しい一章々々を讀み行くやうな軟かい悲哀を傳へる。われの悲しむは過ぎ行く今年の春の爲めではない、又來べき翌年の春の爲めと歌つたのは誰れであつたか忘れて

2025/08/06

艚埜臚羇1941さんの感想

  枇杷の実は 熟し切って 地に落ちて 腐った。大概は その前に小鳥達が 啄んでしまうので 小鳥の糞を 経由して 枇杷の 熟実の 発芽は 群を 抜いている。荷風の 連想は 中国 フランスと さまよい あるくと 感じた。

2024/02/11

阿波のケンさんさんの感想

明治42年の作で今とは風情が少し違うが春から初夏までの日本のそれが感じられる。日本人の感性にうったえる作品だ。

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