いけるものとしせるものと
書き出し
汝は生けり。なが面おほへる青空を呑みつつ、なが笑まひをわれは佳き小麥のごとき糧とす。われは知らず、汝が心踈ましくなりて、われを饑ゑ死なしむるはいつの日か。孤獨に、絶えず脅かされつつ、さすらひゆくわれには、未來もなく、屋根ももはやあらじ。われはひたすら恐るなり、家も、日も、年も、汝がためにわれの苦しみし……われをとり繞らせる空氣のうちに、われのなほ汝を見、心ちよげに汝の見ゆるときすら、汝がうちなる何…