たんていしょうせつしょうろん
初出:「新青年 夏期増刊 第五巻第一〇号」1924(大正13)年8月5日
書き出し
探偵小説に興味がないこともないが、常に忙しいのと、生来の怠け癖とで読めもしないのをコツコツ洋書を読む根気もないので、十分の確信をもつて探偵小説の話ができる訳のものではない。殊に探偵小説と言へば外国の作品に限られてゐる現状では。しかしせつかくのお尋ねだから卑見をでたらめに申し述べる。探偵小説の本質としては、論理的に相当の判断を下して問題の犯人を捜索するところにある。即ち事件の関所をどんなふうに切り抜…