青空文庫

「偏奇館吟草」の感想

偏奇館吟草

へんきかんぎんそう

初出:海月の歌「三田文学 第四巻第二号」三田文学会、1913(大正2)年2月1日

永井荷風31

書き出し

De la musique avant toute chose ——Paul Verlaine.詩は何よりも先音楽的ならむことを。ポール、ヴヱルレーヌはしがき嗤ふなかれ怪しむなかれ。この集をひらきみる人。この集に載せたる詩篇。思出の言葉なきものあらざることを。物一たび、去ればかへることなし。かへらぬものはなつかしからずや。あかるき今日の昼とても暮れなばたちまちむかしなり。休まざる時計のひゞきは忘る

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