青空文庫

「冠松次郎氏におくる詩」の感想

冠松次郎氏におくる詩

かんむりまつじろうしにおくるし

初出:「読売新聞」1930(昭和5)年8月17日

書き出し

劔岳、冠松、ウジ長、熊のアシアト、雪渓、前劔粉ダイヤと星、凍つた藍の山々、冠松、ヤホー、ヤホー、廊下を下がる蜘蛛と人間、冠松は廊下のヒダで自分のシワを作つた。冠松の皮膚、皮膚に沁みる絶壁のシワ、冠松の手、手は巌を引ッ掻く。冠松は考へてゐる電車の中、黒部峡谷の廊下の壁、廊下は冠松の耳モトで言ふのだ、松よ冠松よ、冠松は行く、黒部の上廊下、下廊下、奥廊下、鐵でつくったカンヂキをはいて、鐵でき

1 / 0