青空文庫

「谷崎潤一郎氏の作品」の感想

谷崎潤一郎氏の作品

たにざきじゅんいちろうしのさくひん

初出:「三田文学」1911(明治44)年11月1日

永井荷風15

書き出し

明治現代の文壇に於て今日まで誰一人手を下す事の出来なかつた、或は手を下さうともしなかつた芸術の一方面を開拓した成功者は谷崎潤一郎氏である。語を代へて云へば谷崎潤一郎氏は現代の群作家が誰一人持つてゐない特種の素質と技能とを完全に具備してゐる作家なのである。自分は氏の作品を論評する光栄を担ふに当つて、今日までに発表された氏の作品中殊に注目すべきものを列記して置かう。それは廃刊した新思潮第二号所載の脚本

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