青空文庫

「復員」の感想

復員

ふくいん

初出:「朝日新聞」朝日新聞大阪本社、1946(昭和21)年11月4日

書き出し

復員坂口安吾四郎は南の島から復員した。帰つてみると、三年も昔に戦死したことになつてゐるのである。彼は片手と片足がなかつた。家族が彼をとりまいて珍しがつたのも一日だけで翌日からは厄介者にすぎなかつた。知人も一度は珍しがるが二度目からはうるさがつてしまふ。言ひ交した娘があつた。母に尋ねると厄介者が女話とはといふ顔であつた。すでに嫁入して子供もあるのだ。気持の動揺も鎮つてのち、例によつて一度は珍しがつて

2018/11/20

d6e8a0e1351dさんの感想

何とも、しょーもない人間存在が、短く淡々と綴られている。悲しいね。この世なんぞ、そんなもんだ。と、思わせるけっこう凄い小品だと思う。

2018/11/08

ecedc6dcdf58さんの感想

短い話のなかで、戦争から受傷して帰ってきた兵士に対する周囲の人間による冷たい態度が現実世界の虚しさを、そして最後の一行が生きる人間が持つ感情の柔らかさと強さを簡潔に伝えている。

2018/10/23

いちにいさんの感想

せつない、セツナイ、そして切ない!

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