青空文庫

「勇子」の感想

勇子

ゆうこ

一つの追憶

ひとつのついおく

小泉八雲15

書き出し

明治二四年五月五日一八九一年誰か賢き女を見出すことを得んや——その値打ちはなはだ高貴なりラテン語訳聖書「天子様御心配」天子様が畏れ多くも悲しんでおられる。街中が異様なまでに静まり返っており、まるで公の喪に服したように厳粛な雰囲気である。通りでは物売りたちですらいつもよりも低く呼び声を挙げている。普段だと朝早くから夜遅くまで開場している劇場や芝居小屋もみんな閉じている。どこの娯楽施設も同じように閉鎖

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