青空文庫

「三等郵便局」の感想

三等郵便局

さんとうゆうびんきょく

初出:「早稲田文学」1923(大正12)年3月

尾崎士郎49

書き出し

一兄よ。あなたがこの世に生きていないことが、どんなにわたしの心を悲しくすることか。その悲しみのためにこの一つの計画に対するわたしの情熱までがいかに減殺されることか。何故ならわたしが試みようとしているこの一篇の小説はあなたについて、いや、あなたの犯した罪について、あなたがいかに正しく善良な人間であったかということを語ることにのみ唯一の動機を感ずるからである。これは勇敢なる兄に対して捧げられた頌徳の辞

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