ぶどうよいぜっく
初出:「新少年」博文館、1938(昭和13)年3月号
書き出し
一——飢えて窮死するとも、金一両はかならず肌に着けおくべし。武士の嗜なり。父は生前よくそういっていた。三樹八郎はいま、金一両と四、五枚の銭を手にして、父の言葉を思出しながら我知らず太息をついた。——渇しても盗泉の水は汲まず、貧にして餓死するはむしろ武士の本懐なり。これも父の言葉である、だからこの家では、どんな困ったことがあっても、太息をつくなどということはかつてなかった。——厨でことこと俎の音をさ…
ba5194e78df6さんの感想
真面目な武士道垣間見れた