青空文庫

「芥川竜之介を憶ふ」の感想

芥川竜之介を憶ふ

あくたがわりゅうのすけをおもう

初出:「改造 第十卷第七號」1928(昭和3)年7月1日

佐藤春夫71

書き出し

一自分と芥川との交友関係は、江口渙を中間にして始つた。芥川は将に流行児として文壇の檜舞台へ上らうとしてゐる前後であつた。自分はその五六年以前から二三の同人雑誌などに今顧みるときまりが悪いやうな幾つかの詩歌や散文の習作などを活字にして貰つた事があつて芥川の方でも自分の名前位は知つてゐたらしい。自分はその頃文学上の自信をなくし方向を見失つてゐた。さうして斯ういふ状態の常として自分に対しても元より世上一

2020/09/02

19双之川喜41さんの感想

 佐藤は 芥川に並々ならぬ因縁を 感じていたようではある。 例えば それぞれ 偶然購入した 座布団と時計は 奇しくも全く同じものであったという。 洋服を着るとき 猿股 を着用しない佐藤は 鵠沼の海岸で  俄かに 皆が泳ぎ始めた時 その旨を芥川に告げると 芥川は 着用していた生猿股を  佐藤に 貸し与えたという。 君子の交わりとでも言うべきか。

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