青空文庫

「五階の窓」の感想

五階の窓

ごかいのまど

03 合作の三

03 がっさくのさん

初出:「新青年」博文館、1926(大正15)年7月

森下雨村34

書き出し

11「追いかけてみようじゃないですか。まだそう遠くへは行くまいと思うが——」探偵小説家の長谷川は壁の貼紙から目を離すと、いきなりそう言ってドアのほうへ踏み出した。が、冬木刑事は何かほかのことでも考えていたらしく、「跡を追いかけるですって」と気乗りのしない返事をしながら、「とてもだめでしょう。どっちへ行ったか、もう分かるもんですか。それに——ぼくは——」と、やはり何か考え込んでいるらしい口吻である。

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