地名の研究
ちめいのけんきゅう
初出:地名の話「地学雑誌 第二四年第二八六号~第二八八号」東京地学協会、1912(大正元)年10月15日、11月15日、12月15日
柳田国男約478分
書き出し
自序始めて自分が日本の地名を問題にしたのは、この本の中にもある田代・軽井沢であった。田代がどこに往ってもかなりの山の中にばかりある理由が何かあるらしく思われたのが元であった。算えてみるともうその頃から、優に三十年を越えている。三十年もかからなければ一冊の本も出せぬような、大きな研究項目ではもちろんない。むしろあまりに小さくかつ煩瑣なる仕事であるがゆえに、多くの人がこれに入ってみようとしなかったので…
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