青空文庫

「葡萄蔓の束」の感想

葡萄蔓の束

ぶどうづるのたば

初出:「オール讀物」1940(昭和15)年6月

久生十蘭30

書き出し

北海道の春は、雪も消えないうちにセカセカとやって来る。なにもかもひと口に頬張ってしまおうとする子供のようだ。落葉松の林の中は固い雪でとじられているのに、その梢で鶫が鳴く。低く垂れていた鈍重な雪雲の幕が一気にひきあけられ、そのうしろからいちめん浅みどりの空が顔をだす。雪の表面が溶け、小さな流れをつくって大急ぎで沢のなかへ流れこみ、山襞や岩の腹についていた雪は大きな塊になってあわてふためいて谷の底へこ

2022/04/22

鍋焼きうどんさんの感想

不器用な人生。不要な一言が命取りに。沈黙は金というけど、理屈ではなく彼には戒律を守って沈黙を続けるなど無理なことなのだ。誰にでも分かっちゃいるけどやめられないことがある。直木賞候補作。

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