青空文庫

「街の尼僧の話」の感想

街の尼僧の話

まちのにそうのはなし

初出:「婦女界」1932(昭和7)年6月号

書き出し

それはドイツとの宣戦が布告されて間もない時で御座いました。ナンシーの片田舎に私は十九歳にお成りなさったばかりのお姫様と、お姫様の後見を遊ばす七十歳近い退役陸軍少将の伯父御様とにお仕え申して居りました。其処はフランスと申しましてもドイツとはほんの山一つ河一つ隔てたばかりの国境に近い土地で御座いました。別荘と申しましても、もともと土地の豪族が旧邸を御恩人のお姫様の御両親に差上げましたもので、それは凝っ

1 / 0