青空文庫

「従軍行」の感想

従軍行

じゅうぐんこう

初出:「帝國文學」 1904(明治37)年5月10日

書き出し

一吾に讎あり、艨艟吼ゆる、讎はゆるすな、男兒の意氣。吾に讎あり、貔貅群がる、讎は逃すな、勇士の膽。色は濃き血か、扶桑の旗は、讎を照さず、殺氣こめて。二天子の命ぞ、吾讎撃つは、臣子の分ぞ、遠く赴く。百里を行けど、敢て歸らず、千里二千里、勝つことを期す。粲たる七斗は、御空のあなた、傲る吾讎、北方にあり。三天に誓へば、岩をも透す、聞くや三尺、鞘走る音。寒光熱して、吹くは碧血、骨を掠めて、戞として鳴る。折

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