青空文庫

「美」の感想

〔いつたん此世に〕 

〔いつたんこのよに〕

初出:「キング 第三十巻第一号」1954(昭和29)年1月1日

書き出し

美〔いつたん此世に〕高村光太郎いつたん此世にあらわれた以上、美は決してほろびない。眞理はつねに更生せられて、一つの眞理から次の眞理へとうつりかわり、前の眞理はほろびる。それが眞理の本然である。美は次々とうつりかわりながら、その前の美が死なない。紀元前三千年のエジプト藝術は今でも生きて人をとらえる。一民族の運命は興亡常ないが、その興亡のあとに殘るものはその民族の持つ美である。その他のものは皆傳承と記

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