青空文庫

「聖アンデルセン」の感想

聖アンデルセン

せいアンデルセン

初出:「表現 第一巻第一号(冬季号)」角川書店、1948(昭和23)年2月5日

小山51

書き出し

「海は凪いでいた。」と月は言った。「水は私が帆走っていた晴朗な空気のように透明だった。私は海の表面より深く下の方の珍しい植物を見ることが出来た。それは森の中の巨大な樹木のように、数尋の茎を私の方へ差上げていて、その頂きの上を魚が泳いで行った。空中高く一群の野生の白鳥が渡っていた。その中の一羽は翼の力が衰えて下へ下へと沈んで行った。彼の眼はだんだん遠ざかってゆく空中の隊商の後を逐ったが、両翼を広くひ

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