青空文庫

「美」の感想

〔私は美術のことに〕

〔わたしはびじゅつのことに〕

初出:「令女界 第十八巻第十二号」宝文社、1939(昭和14)年12月1日

書き出し

美〔私は美術のことに〕高村光太郎私は美術のことに從つてゐる者なので、この世の美について常に心を用ゐざるを得ない。そして世人の普通考へてゐるやうな眼や感情に、ただ奇麗に見える事物を直ちに美なりとする考へ方を、もう一歩深めてもらひたいと熱望してゐる。美とは決してただ奇麗な、飾られたものに在るのではない。事物ありのままの中に美は存するのである。美は向うにあるのではなく、こちらにあるのである。芋蟲は身ぶる

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