青空文庫

「二つの絵」の感想

二つの絵

ふたつのえ

芥川竜之介の回想

あくたがわりゅうのすけのかいそう

初出:二つの繪「中央公論」1932(昭和7)年12月号、1933(昭和8)年1月号

小穴隆一264

書き出し

龍之介先生龍之介先生の顏——岡本一平が畫いた似顏は、首相加藤友三郎とちやんぽんだ。小説の事はいはずもがな、支那で六圓に買つてきた古着を、坪何兩といふ品と泉鏡花に思込ませた人だ。(坪トハ錦繍、古渡リ更紗ナドニ、一尺四方、又ハ一寸四方ナルヲイフ)不思議によく猿股を裏がへしに着けてゐる。顏を寫す時、西洋の文人、自分の一家一族の人の寫眞に至るまでどつさりみせて、やつぱり立派に畫いて呉れと言つた。常常、君、

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