とうようがくじんをおもう
初出:「早稻田學報 第百五十七號」早稻田學會、1908(明治41)年3月5日
書き出し
新智識を要する時に旧思想の人小野梓君は、我輩の最も大切な友人の一人であって、年齢よりいえば我輩の後輩であった。小野君は勇気勃々たる青年であって欧米の新智識を有し、我輩の如きも学問の上に於て君の教えを受けたことも尠なくなかった。当時政治の局に当りし人々は皆旧思想を有するもののみで、爾かもその企つるところの事業はことごとく皆新智識を要する事業のみであった。小野君はこの間にありて吾人に偉大なる助力を与え…